妹夫婦に3度目の離婚騒動が持ち上がった。
その連絡が来たのが朝。で、一日じゅう妹とラインしていたのだけど、結論としてはいったん離婚は見送りになった。
ちなみに。
離婚の原因などはこちらから一切質問していない。
妹サイドからしか聞くことのない以上、原因を聞いてしまったら私は公平な第三者ではいられなくなってしまうから。
それでもきっと、妹としては、自分は悪くないと思いたいのか、要所要所で彼の言動を知ることができた。
シンプルな感想としては、まぁ、彼はモラハラをしている。
妹の話を聞くうち、モラハラについて考えることが多くなった私。
その私の考える範囲では、たぶんモラハラは既存の教育システムに対して、よく言えば素直な人。
そんな人が起こしやすいハラスメントなのではないかと思う。
例えばこんな言動。
・妻になるからには家庭に入って働く俺をサポートしてほしい(すべき)
・子どもができたからには、子育てに専念してほしい(すべき)
・仕事をしてお金を稼ぐ俺の方が偉い
・家事しない
・育児しない
・子どもいても自分だけは独身時代と変わらない生活を続ける
・離婚するなら、お前の希望で離婚するならお金は一切払わない
・離婚となれば徹底的に潰す
・親権はもらう
素直にすごいな、と。
例えば最後の一言。
今現在一切の育児をしていない彼。
にもかかわらず、離婚となれば親権はほしいと。
いや、まぁそもそも父親の方が親権を得るには不利だと思うんだけど、それはおいておいたとしても。
繰り返しになるけど、今現在、一切の育児をしていない彼。
親権だけもらっても、お世話できるとは到底思えないのだけど。
というか、彼は親権を得てハッピーなのか?欲しいのか?嫌がらせとして…?
すごいもんだ。
ここまで書くと、たぶん、彼はよっぽどスペックの高い男性なんだろうと、思われるんじゃないかな。
いやいや。
それがまた彼のすごいと思うところで。
身長低く、顔はまぁ少なくともイケメン的な褒め言葉は使えない。
年収?普通ですし、勤め先も普通。
これがやはり、既存の教育システムに素直な証だな、と。
鬱になるのは根性がないからで、仕事で出世するのは努力と能力に比例していて、つまり女より男の方が優れていて、だからどうせたいして稼げない女は家庭に入って男をサポートすべき、と。
でも私、思うんです。
彼を憎むべきじゃないなって。
私だって、この社会で男性で生まれて、長男で大事にされて、自分でも努力した上で出世したら、そう思ったはず。
成功において、努力の量は比例していて、なので不遇な人は努力不足、と。
幸いなことに私は、同じ努力では男性に負けることや、同じ能力なら年上の男性に仕事が抜擢されることや、そんな悔しさを知ることができた。
でもそれは、運良く女に生まれることができたおかげであって。
彼もまた、かわいそうなんだなと。
そして無邪気な言動に傷つけられ、我慢を強いられる妹は、不幸なことに彼を論破することができない(モラハラ夫は無意識にそんな女を選んでいるのだと思うのだけど)。
お互いに不幸なサイクルだなと。
この夫婦だけでなく、全国のこんな夫婦を救いたいのに。
私はいったい、なにができるだろう。